独りさいころTalk
*びっくりした話
東京と言うのは恐ろしいところである。本当にいろいろな人がいる。
怖い人。壊れかけている人。そしてもうすでに壊れてしまった人・・・。
そんな人と狭い空間を長時間共有しなくてはならないときがある。
それは満員電車。
それは俺が週末の終電間際の小○急線の急行電車に乗り込んだときだった。
当然のように人であふれていた。
仕方ない、ほんの数十分の我慢だと思い、興味の無い中刷り広告に目をやっていた。
しばらくすると、背後から視線を感じた。
しかもかなり見下されている。
おかしい。
2.2mくらいある巨人ならそれは可能だが、そんなやつがいたら電車に乗ったとたんに気づくだろう。
何事かっと思い後ろを振り返ると・・・
なんと荷物を載せる網棚の上に
40過ぎのおっさんが横たわってこっちを見ているではないか!!
自分の目の前に広がる異様な状況にしばし固まる。
あまりに気持ち悪いのですぐに目をそらす。
そしてそうなってしまうのはしょうがないと思える状況を頭の中をフル回転して考える。
考え付かない!!
おっさんがそんな網棚の上に載らなくてはいけない様な状況はこの世には無いはずだ。
ふと視線を下げてみる。
その網棚の下に座っている人、立っている人は全員下を向いて寝たふりをしている。
当然そんな危険なおっさんと少しでも目を合わせるわけには行かないのだ。
数十分後、俺は目的地に着いたのでその電車を降りてしまった。
おっさんがどうやって網棚に上り、そして降りたのかは全くの謎である。
やっぱ東京は怖い。
ふと故郷を懐かしく思いながら寒い夜を家路へ急いだ、そんなある冬の日だった。